最近はもっぱら「考えたらまとめる、まとめたら考える」の方に色々書いています。

2009年09月13日

小学生に読ませたい「塩狩峠」感想

塩狩峠 (新潮文庫)
塩狩峠 (新潮文庫)
posted with amazlet at 09.09.13
三浦 綾子
新潮社
売り上げランキング: 4080
おすすめ度の平均: 4.5
5 忘れることの出来ない一冊に!
4 塩狩峠に行ってみたくなりました
5 是非お勧めします
5 「正しい人間など一人もいない」という意味
5 涙しました


小学生に読ませたい作品


心の中にずしんと直球を投げ込んでくるような作品。
犠牲、死、差別、約束。
これら道徳的なテーマについて主人公永野信夫が考えながら成長していく作品だ。
非常に道徳的で、「これって忘れちゃいけない大事なことだよなぁ」としみじみ感じた。
是非小学生に読ませたい。
どのテーマも小学生が考えるのに適していて道徳の教科書にオススメだ。

たとえば信夫が虎雄に屋根から落とされた後のシーン。
「虎雄に落とされたのか?」という質問に対し、信夫はこう言う。
「ぼく町人の子なんかに屋根から落とされたりするものですか」
主人公の信夫は「永野家は士族。町人の子とは違う」と祖母からいつも聞かされていたのだ。
信夫のこの台詞を聞いた信夫の父は怒り、人間はみな同じということを信夫に教える。

他にもこんなシーンがある。
夜中の学校にお化けが出るかどうか確かめようと、信夫たちは夜に学校に集まる約束をする。
しかし、雨が降っていたので「大した約束でもないし」と信夫は行くのをやめようとする。
そこですかさず父親は言う。
「そうか。雨が降ったら行かなくてもいいという約束だったのか」
「約束を破るのは、犬猫に劣るものだよ。犬や猫は約束などしないから、破りようもない。人間よりかしこいようなものだ」
「信夫。守らなくてもいい約束なら、はじめからしないことだな」
お父さんカッコいい!!シビレルゥ!!
子供に言ってあげたい台詞。
「守らなくてもいい約束なら、はじめからしないことだな」

信夫の友人、吉川の不具者に対する考察もいいシーンだ。
吉川の妹ふじ子は生まれつき体が不自由。
吉川はふじ子について信夫にこう言う。
「ふじ子たちのようなのは、この世の人間の試金石のようなものではないか。どの人間も、全く優劣がなく、能力も容貌も、体力も体格も同じだったとしたら、自分自身がどんな人間かなかなかわかりはしない。しかし、ここにひとりの病人がいるとする。甲はそれを見てやさしい心が引き出され、乙はそれを見て冷酷な心になるとする。ここで明らかに人間は分けられてしまう」
んー。なかなか面白い指摘。
小学校の国語の教科書に載ってそう。
「あなたはこれに対してどう思いますか?自分の意見をまとめてみましょう」
とか文末に載っちゃってそう。

小学生が道徳を考えるのに適しているということは、
大人が普段は考えない大事なことを考えるのに適しているということ。

最後にジョジョっぽくてカッコいい台詞があったので、それを引用して終わることにしよう。
若さとは混沌としたものだろうか いや、若さとは成長するエネルギーだ
〜永野信夫〜



posted by イズミ at 19:14 | Comment(0) | TrackBack(2) | 小説レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

「塩狩峠」三浦綾子
Excerpt: 信夫の半生とふじ子との出会い、結納まで。 祖母に育てられた信夫はキリスト教が嫌いだったが、死んだと思っていた母の菊も妹の待子も父の貞行もキリスト教であった。 足が悪く、病で寝たきりになってしまうふじ子..
Weblog: テンポ。
Tracked: 2009-09-13 21:33

■「命を産み育む愛」に目を向けて
Excerpt: ☆『パパとママからのラブレター 生まれてくれて、ありがとう』  (Create Media編/ノンカフェブックス刊/予価1200円※税別) 「どんな人...
Weblog: ■Social Good News 君は弱者と同じ世界に生きている
Tracked: 2009-11-15 19:44
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。