最近はもっぱら「考えたらまとめる、まとめたら考える」の方に色々書いています。

2009年11月01日

人は必ずしも合理的に行動するとは限らない「未成年」感想

未成年 上巻 改版 (新潮文庫 ト 1-20)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 12508
おすすめ度の平均: 4.0
4 主人公
5 なぜドストエフスキーの小説はダントツに面白いのか
3 これが消えた理由は
5 「カラマーゾフ」の世界を準備する力作


「人は必ずしも合理的に行動するとは限らない。
むしろ人は非合理的に行動することの方が多いのではないか。」

読んでいて、そんなことを言っていた友人を思い出した。

主人公を含む登場人物たちは予期せぬ行動をする。
思わず読んでて「何でだよ!」と突っ込みたくなる。

たとえば、
貯金の大切さを長々と説いた後、博打しまくりの男に
思わず「何でだよ!」

Aのことを愛していると熱狂的に語ったその次の日にBに結婚を申し込む男に
思わず「何でだよ!」

登場人物の心理が非常にめまぐるしく動いていくのだ。
このような心理の動きと一緒に、物語は二転三転と大きく変化していく。
展開の振れ幅の大きさがでかくて飽きない。面白い。


小説の作りに関して言おう。

まずドストエフスキーの小説は大体そうだと思うが、
なかなかストーリーが進んでいかない。
前回までのあらすじがやたら長いアニメのドラゴンボールを思い出す。
プロットの前進よりも主語を充填していくことに重きを置いている。
起きた出来事、その時の心情について非常に詳しく書かれている。
人によっては「くどい」と思うだろうが、そのくどさにうまみがある。

たとえば冒頭部分はこんな感じ。

わたしは自分を抑えきれなくなって、人生の舞台にのりだした当時のこの記録を書くことにした。しかし、こんなことはしないですむことなのである。ただ一つはっきり言えるのは、たとい百歳まで生きのびることがあっても、もうこれきり二度と自伝を書くようなことはあるまいということである。実際、はた目にみっともないほど自分にほれこんでいなければ、恥ずかしくて自分のことなど書けるものではない。ただ一つ自分を許せるとすれば、みんなが書くような理由から、つまり読者から賞賛をえたいために、書くのではないということである。

と、このような感じでいきなり説明に3ページ費やす。

いきなりストーリーが始まらないところが実にいい!
「ドストエフスキーの作品が始まった!!」という気になる。

そして煽りがやたら多い。
一時期流行ったバラエティ番組、ガチンコを髣髴させる。
「この後、とんでもない事態が!!」
みたいな煽りが所々入ってくる。

この煽りがなかなか上手い具合に効いている。
ちょうどいい位置に煽りが配置されていて、
ページをめくるモチベーションになる。


昼メロとか、サスペンスが好きな人にオススメ。
キャラの濃い登場人物たちの駆け引きが楽しめます。




posted by イズミ at 22:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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