最近はもっぱら「考えたらまとめる、まとめたら考える」の方に色々書いています。

2009年08月31日

村上春樹っぽさ全開ファンタジー「世界の終りとハードボイルドワンダーランド(下)」

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社
売り上げランキング: 965
おすすめ度の平均: 4.5
4 全体的に緩やか。
5 幻想的な現実感
5 村上春樹からの壮大なメッセージ
5 何時の時代もBobDylanはいい
3 食べ物、音楽が・・・


下巻読み終わりました。
というか読み終わってから随分時間がたってからこのレビューを書くんだけど、
やっぱりレビューはすぐ書いたほうがいい。
何書きたかったかさっぱり覚えてない。
全体としての感想は
「面白い。サクッと読めるのに腹にたまる」
そんな感じでしょうか。
ストーリー的にはそんなに奇抜でもなく、いたって普通のファンタジー。
だけどその読後感は村上春樹以外の何ものでもない。
そんな作品。

ということで気になったところとそれについて一言。
三オクターブぶんしかキイがなくて、五年も調律をしていないピアノを弾いているような気分だった。
主人公が暗闇の中で気持ち悪くなり、限界を迎えるシーンで。たとえが巧い。

「アイデンティティーとは何か?一人ひとりの人間の過去の体験の記憶の集積によってもたらされた思考システムの独自性のことです。」
確かに。

「なにしろ僕は最近突然人気がでてきたみたいだし、ドアには鍵もかからないからね」
いろんな人に部屋を荒らされた主人公が言った台詞。オシャレ台詞。

「我々はここでみんなそれぞれに純粋な穴を掘り続けているんだ。目的のない行為、進歩のない努力、どこにも辿りつかない歩行、素晴しいとは思わんかね。誰も傷つかないし、誰も傷つけない。誰も追い越さないし、誰にも追い抜かれない。勝利もなく、敗北もない」
ゼーレ思い出した。

「みんな昔に一度起ったことなのよ。ただぐるぐるとまわっているだけ。そうでしょ?」
ニーチェ。

死とはシェーヴィング・クリームの缶を半分残していくことなのだ。
この本の中で一番印象に残ったのはここ。
シェーヴィング・クリームを綺麗に使い終わってから死ぬ人はそうはいない。
死っていうのはいつ訪れるかわからないから。
posted by イズミ at 23:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年08月17日

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上) / 村上春樹



高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

今まで読んだ村上春樹作品の中で一番エンターテイメント性、物語性が強かった。
二つの物語が同時進行していくその構成も飽きを感じさせず、どんどん引き込まれるように読んでしまった。

以下気になった箇所。
私がとおされたのはがらんとした広い部屋だった。
その後この文章は部屋の説明へと続く。
僕はこの一文を読んだ瞬間、なぜか扉の前にあるついたてを想像してしまった。
校長先生の部屋にあるような、曇りガラスでできたついたてだ。
もしくはドアの前にあるガラスばりの壁。
それを避けて通ると部屋の中に入れる。

しかしそんな記述はどこにもない。
この後を読んでいくと、
部屋にはソファーや机やロッカーなどしかない。
ついたてなんかない。

でも僕は一文目でついたてを想像してしまったので、
その後そのイメージのついたてを消すことが非常に難しい。
とても不思議。

世の中の本読みはどれほど正確に情景をイメージできているのだろうか。
たとえば、一文目でついたてを想像してしまっても、
その後そういった記述がなければそのついたてを頭の中から消すことができるのだろうか。

そういう疑問が頭の中を駆け巡った。
そんな一文。

「この世界では誰もひとりぼっちになることなんてできない。みんなどこかで少しずつつながってるんだ。雨も降るし、鳥も鳴く。腹も切られるし、暗闇の中で女の子とキスすることもある」
仏教的。ちょっと勇気の出る一文。

引き続き下巻を読もう。
posted by イズミ at 13:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年06月28日

水滸伝(十)濁流の章



北方水滸伝十巻。
全十九巻なのでちょうど折り返し地点に到達した。

相変わらず各地を放浪している●●と○○のコンビは面白い。
印象に残った○○の台詞を引用しておく。

「おまえな、ただの鯉をうまくするのが、料理ってもんだろうが」

全くそのとおりだ。
posted by イズミ at 13:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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